プチふるさとが人生をもっと豊かにする。渋谷を飛び出し、ローカル移住クリエーターとして地域と人生をつなぐ

「ふるさと食体験の準備室」インタビュー、第15回目は福田将人さんです。
学生時代にキッチハイクでインターンを経験後、広告代理店を経て、2022年にキッチハイクへ改めて入社された福田さん。一度、広告業界を経験したからこそ見えてきたもの、クリエイティブな仕事をする上で大切にしていることを伺いました。

クリエイティブの力を、信じる未来のために使いたい

――福田さんは一度キッチハイクを経験している出戻り社員ですよね。再入社のきっかけはなんでしたか?
前職では広告代理店のクリエイティブ部署でプランナーをしていました。とても充実していたのですが、広告は飛んでくるあらゆるお題を、企画の力ですべてホームランにしなくちゃいけない世界。なんとかバットを振って少しずつ力がついてきましたが、ふと、この先自分が本当に打ちたいのはどんな球だろう?と考えるようになりました。
突き詰めていくと、自分が一番大事にしたいのは、生活と人生のど真ん中にある「食と暮らし」だなと思ったんです。僕自身人とご飯を食べるのが大好きで、おじいちゃんが米農家だったりして。ちょうど大好きなローカルができて、地域との関わりを模索するタイミングでもありました。
そこで頭によぎったのは、かつてインターンしていたキッチハイク。このチームは、変わらず「食と暮らし」で常に新しい仕組みを作り、未来を変えようとしている。その姿を見て、何より羨ましかったし、すごく悔しかったんです。なんで自分がそこにいないんだろうって。あの人たちと一緒に、もう一度働きたい。これからは、培ってきたクリエイティブの力を、信じる未来を作るために使いたい!と思った時には、もう連絡をとっていました。
職種柄、もっと経験を積まなきゃ…という気持ちも正直めちゃくちゃありました。悩んで悩んだ末に、結局はどこにいても自分次第、20代の今こそ一番挑戦できる場所へ行こう!と決めました。
――なるほど、ちなみに福田さんはキッチハイクのどんなところに一番「未来を変えようとしているんだな」と感じましたか?
キッチハイクは、いち食のスタートアップと見られがちですが、その本質はもっともっと大きい。食と暮らしで人間がもっと「味わい深く生きる」ための仕組みづくりにチャレンジしている会社なんです。それを真正面から、かつクリエイティブにやっているところがシンプルにファンなんですよね(笑)。
ふるさと食体験は「地域の食を味わう」新しい体験をデザインしていて。保育園留学は「子育ても仕事も味わう」新しい体験を作り上げていて。会社としても、働く上で「人生を謳歌しよう!」と常に代表の山本が言っており、「人生を味わう」ための社内システムがどんどん生まれているんです。思えば僕が以前在籍してた頃も、キッチハイクは料理を作る人と食べる人をマッチングする新しいサービスで「人とのつながりを味わう」体験を作っていました。
入社当初、チームに自分なりのキッチハイクの魅力を説明したスライド

企画とアイディアの力で、ワクワクする価値拡充を実現する

――「味わい深く生きる」それは人生で一番価値のあることかもしれないって思ってしまいますね。それでは、今の仕事内容を教えてください。
肩書きとしてはクリエイティブプランナーです。社内のクリエイティブやコミュニケーションに関わることに横断して関わっています。その上で、自分が一番注力しているのは、会社がより世の中に伝わる文脈を作ること。直近では、コーポレートアイデンティティ(CI)のリニューアルを進めています。会社のミッションとビジョンをアップデートする一大プロジェクト。社員全員と語り合い、議論を重ねていきました。
今回アップデートしたミッションは、「地域の価値を拡充し、地球の未来へつなぐ。」です。世界でも課題先進国と言われる日本。地域はその最前線にいます。でもそれは、地域は世界の未来を先取りする地球の最先端ということでもある。地方創生はやがて地球創生になっていく、というストーリーを描いています。とんでもなく大きい話ですが、これは本当にそうだなと思っていて。チームとしても全員が高い目線になれる、すごくいい視点だなと思っています。
ーー確かに視座が高ければ、やることが縮こまらずにどんどん広がっていくイメージがあります。会社でもっとチャレンジしていきたいことはありますか?
今キッチハイクは自治体から地方創生の文脈でお仕事をいただきますが、地方創生は真剣なアジェンダだからこそ、少し肩に力が入っちゃうところがあると思うんです。そこをもっとしなやかに、巻き込む人全員をワクワクさせるものに変えてみたい。広告の世界にいた僕なりの挑戦として、アイディアの力でワクワクする地域価値の高め方をしたいです。
3月に、初めてのプランニングとして静岡のプロジェクトを担当しました。もともと大型の物産展を行うはずだったけれどコロナでできなくなってしまい、オンラインを主軸にご相談いただいた経緯があって。なんとかその想いを活かしたいなと思い、「テーブル上の物産展」を開きましょう!と「#しずおか春の弁当祭り」という企画を提案しました。
お弁当というフレームの中にさまざまな静岡の事業者の食材をぎゅっと詰め込むことで、日本全国のおうちでテーブルの上で、おいしい物産展が開けます!というオンラインイベント×SNS企画×ECの複合企画でした。
提案直後はどきどきしていましたが、「お弁当は、テーブル上の物産展となる」という一本のアイディアがあることで、クライアントもチームも「やりましょう!」とワクワクしてもらえたし、実際の企画も、参加者のみなさんにとても楽しんでいただけました。それが本当に嬉しくて。ワクワクする価値拡充の仕方で、どんなプロジェクトをも面白く、皆が幸せになれるように高めていきたいですね。

「プチふるさと」があるほど人生は豊かになっていく

――ふるさと食体験など、キッチハイクのサービスそのものに対して、福田さんが共感しているところは何ですか?
僕はこないだまで渋谷から歩いて10分の超シティボーイ(笑)だったのですが、最近、東伊豆に移住したんです。友達に呼んでもらったのがきっかけで通い始めたんですが、コンパクトな港町で、田舎だけど、海も山もあるし、ゆったりできる時間がある。何より人と人の繋がりが強い。必要なものは間違いなくそろっているようなまちで。
僕自身、出身は大阪なんですが、実家が引っ越してしまい、ふるさとと言える場所がなくなってしまったんです。ずっとどこか寂しさを覚えていたのですが、東伊豆の人たちと仲良くなって「また来るね」「またおいで」みたいな関係になっていく中で、自分の「プチふるさと」ができたのがめちゃくちゃ嬉しくて。この世界に、帰りたいと思える場所がある。それって、生きていく上でとても安心できることだし、そんな場所があるほどこの地球って愛せるな.......とジーンときたんです。
大好きな東伊豆の小さな港町。かつて「風待ち港」として船人がいい風を待ったとされる。では現代の「人生の風待ち港」として生まれ変われないか?とまちの仲間と構想中。
キッチハイクの事業は、まさしくそういった「プチふるさと」に出会うきっかけをつくるサービスだと思うんです。先日福島県の平田村という小さな村のイベントを担当しましたが、地元の自然薯農家さんや民宿のご夫婦が現地から熱く中継してくださり、終わる頃には参加者が皆地域のファンになっちゃって(笑)。「全然知らない土地だったけど、絶対現地に自然薯食べに行きます!」といったコメントを数多くいただきました。
これまで知る由もなかった地域と自分の人生がつながっていく。そうすると、自分にとって愛せるふるさとが増え、暮らしの多様さに気づいて未来が開ける。今回新しくなるキッチハイクのタグラインに「地域と人生をつなぐ」という言葉がありますが、まさに僕は地域とつながったことで人生が本当に変わった一人。だからこそ、今やローカル在住クリエーターとして、僕もその体験をつくる側になりたいんですよね。
――プチふるさとがあると新しい出会いがたくさん増えますよね。キッチハイクのメンバーはどんなイメージですか?
メンバーは、自分の暮らしを探究することに全員が全力。皆アンテナと行動力が半端じゃないんです(笑)!そこが、食と暮らしをフィールドに働く仲間として何より信頼できるところです。
代表の山本は、子供と家族のより良い暮らしを探究して、「保育園児も留学ってできるんじゃないか」と北海道に飛び込み、保育園に短期で子供を入園させたんですよね。暮らしの価値の種を見つけたら、そこをまず自分がやって確かめてみる。その経験がもとになって保育園留学という事業が生まれています。メンバーのスタンスも事業も直結していて、気持ちがいいんですよね。嘘がないというか。だからこそ僕もビビッときた伊豆のローカルに飛び込み、アンテナを高く張っているところです。

スタートアップだからこそクリエイターは活躍できる

――福田さん自身は、食に対するこだわりはありますか?
僕自身、食べる物というよりも、皆で食べることが好きなタイプなんです(笑)。今はシェアハウスに暮らしていて、ハウスメイトと一緒にご飯を作って食べたり、シェアオフィスの同世代コミュニティでご飯を食べたりしています。なるべく皆で一緒に食べることは続けていきたいですね。
東伊豆の海沿いのシェアオフィス。皆で一緒に働いて、ご飯をたべる毎日です
――みんなとの距離が近くて楽しそうです。東伊豆町の暮らしはどうですか?
住んでみて嬉しかったことは、「自分のまちだ」という感覚があることですね。東京だと「東京というでかい都市に自分が一時住んでいる」という感じで、まちと自分が遠いんです。しかも、何か面白いことをしようにもどうしても消費的な態度になってしまうんですよ。
でもここだと自分達が面白く過ごすために、新しいことを能動的に生み出す楽しみがたくさんあるんです。海があるから、海を水風呂にしてテントサウナをしようとか。風が強いから逆にそれをブランドにしてみようとか。町の若手や町長とお話しをしたり、この町の未来を考える話し合いにも参加させてもらっていて、皆でより楽しく、いい暮らしを探求することができるまちなんです。
極寒の12月、堤防のテントサウナから大自然の水風呂(海)に飛び込む仲間たち。
役場の町長室に遊びに行って、いろいろとお話しをしました。
――今後の福田さんご自身の展望や、実現したいことはありますか?
地域と人生をつないでいくことはもちろん、野望としてはスタートアップやローカルという環境だからこそクリエイターは活躍できるはず、ということを証明したいです。キッチハイクは成長途中のスタートアップであり事業会社。規模で見ると一見できることが狭まる気がしますが、むしろ真逆なんですよね。事業成長のため、これまで以上にアイディアを振り絞ってあらゆる手を考え尽くす必要があり、思いついたことはどんどんやれる。クリエイティビティを存分に発揮しなくちゃいけないんです。
スタートアップも地域も、またとない成長のフィールドです。これからワクワクする企画やアイディアを今の環境からどんどん生み出して、自分たちが本当に欲しい未来を切り拓いていきたいなと思っています。

キッチハイクの「ふるさと食体験」を一緒に作りませんか?

キッチハイクは、全国各地から食と文化と交流に興味がある仲間を探すべく、「ふるさと食体験ができるまで」をコンセプトに、ふるさと食体験を一緒につくっていく準備室メンバーを募集します。
社員候補の新メンバーだけでなく、業務委託や副業、まるっとチームでの参加もOKです。 個人・法人、年齢・性別、問いません。また、居住地も問いません。全国地域からフルリモートで参加できます。ご応募、お待ちしています!
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