関係人口の社会学-人口減少時代の地域再生

 
 
これからの地域創生のキーとも言われる”関係人口”について、考えを深めるのにうってつけの一冊です。地域と向き合う中で、そもそも関係人口って何なのか?どのような関わりを作っていけるのか?とても勉強になります。 (プロデューサー/ hinasa)
 
 
メモ
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定住人口増が多くの自治体のミッションだが、未来を考えるならば関係人口(=未来の地域再生の主体)づくりも中長期で取り組む必要がある。
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地域住民の力だけではやりたくてもやれない、外の視点がないと突破できない課題がたしかにある
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ギブ&テイク:関係人口が地域に与える=地域が関係人口を都合よく活用する構図にもなり得る。
  • 前提として、テイクがあってこそのギブ、貰っているからあげたくなる。パワーバランスが程よいことが大切
  • よそものが地域で活躍するために必要なのは「自己効力感」だと思う。自分のスキルが地域に貢献できている、ここに関わる意義がある。そう思える「関わりしろ」の設計、受け入れ側の土台づくりができている事例はなかなか感動的だった
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はっとしたのは、現実的に近い将来「たたむ」地域も多くあること。まちおこしをしたくても出来ない限界地域はどうしたらいい?最後の住民にはうしろめたさがつきまとう。集落の尊厳を保ったままあたたかく看取ること。その活動をするムラツムギという団体がある。定住/関係人口を増やすことが絶対的正義ではない
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3つの地域(島根県海士町、島根県江津市、香川県まんのう町)の事例は興味ある方ぜひ読んでほしい!それぞれに関係人口側のがんばり、受け入れる地域側のキーマンの動き方、生まれた軋轢や苦悩がリアルです。地域住民が課題に気づき変わっていくプロセスも興味深い。